細草書林

「疑に三種あり、一には自らを疑ひ、二には師を疑ひ、三には法を疑ふ」(日寛上人『寿量品談義』)

『鹿野苑の王さま(下)』・「釈迦菩薩の捨て身と国王の変心」(通釈第三部)

釈迦菩薩は、国王の居城に着きました。 国王の家来たちは、「あの鹿が…たった一匹でやってきました!!」と報告し、城門は大騒ぎになりました。 国王は、釈迦菩薩に語りかけました。 「お前はなぜ一匹でやってきたのか。もう鹿の群れは尽きてしまったのか?…

末法において仏果を得る条件

弥勒菩薩に「非算珠所知・非心力所及」(算珠の知るところにあらず・心力のおよぶところにあらず)という言葉がある。 この言葉は、『妙法蓮華経・如来寿量品第十六』の、釈迦仏と弥勒菩薩の問答の中で出て来る。 素直にその前後の書き下し文を書いてみると、…

『鹿野苑の王さま(中)』・「釈迦菩薩の決意」(通釈第二部)

ある日、提婆達多の方の群れが仲間を差し出す順番になりました。 群れの中でその日の順番に当たっているのは、子鹿を身ごもっている雌ジカでした。 雌ジカはボスの雄ジカ(提婆達多)に申し上げました。「今日は、本来ならば、私が国王の城に送られる順番で…

『鹿野苑の王さま(上)』・「釈迦菩薩の賭け」(通釈第一部)

古代インドに、ハラナイという国がありました。あるとき、ハラナイ国の王さまは家来たちをひきいて、山に狩猟に行きました。 山に入ってすぐに、王さまと家来たちはその数、一千匹くらいの鹿の大群を発見。 王さまは多少、昂奮してしまいました。 群れは二つ…

故事『鹿野苑の王』原文(妙楽大師湛然『止観弘決』より)

(底本『富士学林版・訓読 摩訶止観弘決会本 上』) 「鹿苑」と言うは、『大論』にいわく… 昔、ハラナ王は山に入って遊猟するに、二の鹿群を見る。数は各五百なり。各一の主あり。一の鹿主あり、身は七宝の色なり。これ釈迦菩薩なり。また一の主あり、これ提…